名馬.jp

ウィナーズサークル

プロフィール

父: シーホーク
母: クリノアイバー
品種: サラブレッド
性別: 雄
毛色: 芦毛
生年月日:1986年04月10日
母馬所有者: 栗山牧場
生産牧場: 栗山牧場
産地: 茨城県稲敷郡江戸崎町

重賞競走

'89 日本ダービー G1

近況 2016年9月

2016年8月27日に死亡しました。

JAIRS情報提供者:

繋養展示場所
〒319-0206 茨城県笠間市安居3145
 
東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場
TEL
0299-45-2606
展示時間
09時00分~15時00分
休憩時間
12時00分~13時30分
休日
土、日曜日、祝日
見学休止期間
年末年始 ゴールデンウイーク お盆
連絡予約
3日前まで
見学方法
案内あり
厩舎内への立ち入り
制限有
備考
土日祝日の見学は要相談となります。
見学の連絡は、平日に連絡願います。

同じ繋養場所にいる引退名馬

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 1989年05月28日 日本ダービー G1 東京 2400
2 1989年04月16日 皐月賞 G1 中山 2000
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1988年 中央 3 0 2 0 1 4,180,000
1989年 中央 8 3 3 0 2 164,540,700
合計 中央 11 3 5 0 3 168,720,700
年度 表彰情報
1989年 最優秀3歳牡馬
1989年 最優秀3歳牡馬

2016年5月 ~ウィナーズサークルとの再会~

日本競馬史上初の茨城県産&芦毛の日本ダービー馬として有名なウィナーズサークル。

現在は茨城県笠間市にある東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場(東大牧場)で過ごしています。
この地に来て16年。

今年30歳になったウィナーズサークルはどんな姿になっているんだろう。
写真で見る限りは、おじいちゃん馬のような感じなのだろうかと、さまざまな思いを抱きながら現地に向かいました。

連日続いた雨も上がり、太陽が降り注いで汗ばむ陽気。
緑の絨毯と真っ青な空が広がり、その中で神々しいほどの白い馬体が、こちらに向かって佇んでいました。
緑と青、白のコントラストがとても美しい……。
写真で見る印象とは全く違って、その若々しい佇まいには驚いてしまいました。


「この馬がウィナーズサークルです。
取材に来る人たちは、『写真で見るのと全然違う』って言いますよ(笑)。
大人しいですから、近くで取材をして頂いて構いません。」
と、技術専門職員の鈴木一美さん。


普段は職員2名でウィナーズサークルのお世話をしているそうですが、この日は鈴木さんが案内して下さいました。


「3年前の夏に暑すぎて食欲が落ちてしまって、ガクッときたんです。
エサも食べられなくなって心配した時期もあったんですが回復してくれました。
去年の5月と今年の3月くらいに松山先生(松山康久元調教師)が会いに来て下さったんですが、先生のキスなどで余計に元気になったかもしれません(笑)。
高級な食べ物をいろいろ持ってきて下さって、りんごも蜜がたっぷりで、カイバに入れてあげたらりんごから先に食べていました。
美味しかったんでしょうね。」


太陽に照らされた真っ白な馬体は毛づやとハリも非常に良く、見るからに状態の良さを伺わせました。
現役時代に関わってきた皆さんをはじめ、今でもファンの見学者が多いそうです。
特に、日本ダービー前に雑誌などに掲載されると、いつも以上に見学者の数も増えるそう。
そんな時でも、ウィナーズサークルはマイペースでのんびりと。


「若い頃は柵のそばに行くと噛みつきにくるようなところもあったんですが、今年に入ってからはめっきり減りました。
ただ、馬房から放牧地に出してあげる時や集牧で頭絡をかけてあげる時は、今だに噛んでこようとするので、引き手の先をちょっと噛ませてあげると落ち着くんです。
それでも、種雄馬を経験した馬としてはとても大人しいですよ。」


朝9時から15時までは放牧地で過ごし、悠々自適な毎日。
現在は東大牧場にいる唯一のサラブレットとして、大学生や装蹄教育センター講習生の実習に一役買っています。 


「食欲はあるんですが、年齢は重ねてきたので、えん麦は水に入れてふやかしたり、草も水分を含んでいないと好まなくなってきたので、食べ物についてはこれからもっと考えてあげなくてはいけないと思っています。
背中を見ると年齢を感じますが、それ以外は若いです。
芦毛はメラノーマが出たりしますが、この年でも気になるほどではありませんし、至って健康体ですね。
風邪も引かないし、関節は硬くなってきましたが特に脚元も問題はありません。
30歳まで生きたのでシンザンの記録(35歳3か月11日)は抜きたいです。
シンザンは偉大な名馬ですが、こちらも芦毛の日本ダービー馬ですから!
長生きできるように努力していきたいです。」


ウィナーズサークルは、青草を食み続けていました。
ムシャッムシャッとそれを食む音を聞きながら、こういう何気ない光景が幸せの証なんだなぁと。


第56代日本ダービー馬は、生まれ育った茨城県の地で、穏やかな日々を送っていました。