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シゲルホームラン

プロフィール

父: キタサンブルー
母: マツガミクイン
品種: アングロアラブ
性別: 雄(セン)
毛色: 栗毛
生年月日:1990年05月20日
母馬所有者: 村上牧場
生産牧場: 村上牧場
産地: 北海道新冠郡新冠町

重賞競走

'93 セイユウ記念

'94 セイユウ記念

'95 セイユウ記念

近況 2020年5月

2020年5月25日に死亡しました。

JAIRS情報提供者:

繋養展示場所
〒061-3362 北海道石狩市北生振602~3
 
オーフルホースコミューン
TEL
0133-66-3902
HP・SNS等
オーフルホースコミューンFacebook
展示時間
09時00分~17時00分
冬期展示時間
10時00分~16時00分
休憩時間
12時00分~13時00分
休日
月曜日
連絡予約
3日前まで
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り

同じ繋養場所にいる引退名馬

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 1993年07月18日 セイユウ記念 札幌 1700
1 1994年09月18日 セイユウ記念 函館 1700
1 1995年07月22日 セイユウ記念 札幌 1700
1 1992年08月29日 アラブ3歳特別 オープン 小倉 1200
1 1992年10月03日 アラブ3歳S オープン 福島 1700
1 1994年11月12日 アラブ王冠 オープン 福島 1800
1 1996年05月05日 アラブ大賞典 荒尾 2150
2 1996年12月31日 アラブCh 荒尾 2150
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1992年 中央 4 3 1 0 0 16,078,000
1993年 中央 11 6 1 0 4 59,245,000
1994年 中央 5 2 0 0 3 36,432,000
1995年 中央 9 2 2 0 5 28,812,000
1996年 地方 6 4 2 0 0 12,542,000
1997年 地方 4 1 1 0 2 2,237,000
合計 中央 29 13 4 0 12 140,567,000
合計 地方 10 5 3 0 2 14,779,000
年度 表彰情報
1993年 最優秀アラブ

2017年6月 ~シゲルホームランとの再会~

 アラブ競馬は長い間、日本の競馬を支えてきました。
 
 丈夫で使い減りがしないことから地方競馬で特に重宝され、中でも兵庫県競馬は全競走がアラブのみで『アラブのメッカ』とも呼ばれていましたが、サラブレッドの増加にともない、アラブの生産頭数は徐々に減少。

1995年にJRAでアラブ競馬が廃止されて、2007年の福山競馬を最後にアラブ競馬はなくなりました。


今回はそんなアラブ競馬を盛り上げたJRAのアラブ重賞、セイユウ記念を62キロの酷量で制した名馬、シゲルホームランに会ってきました。


同馬は1990年に新冠町の村上牧場で誕生。祖父にサラブレッドの名馬マルゼンスキーを持ち、1992年6月に中京競馬場でデビュー。
芝・ダートを問わずに安定した走りで翌年にはアラブ重賞のセイユウ記念に優勝し、またたく間にJRA所属のアラブのトップに上り詰めました。

JRAからアラブの競走がなくなる5歳までの間にセイユウ記念3連覇を含む13勝を挙げ、その後は荒尾競馬場に活躍の場を求めて移籍。

翌1997年のアラブ大賞典を最後に現役を退くことになりましたが、通算で39戦18勝、1億5千万円以上の賞金を獲得しました。

引退後は種雄馬として2シーズンを過ごしたものの、時代はアングロアラブの生産縮小の真っただ中。
繁殖雌馬も思うように集まらなかったため、新冠町のホロシリ乗馬クラブで乗用馬として新たな馬生を過ごすこととなりました。

その後2011年には現在過ごしている石狩市のオーフルホースコミューンに移動。
そして2013年からはアラブ系では唯一となるジャパンスタッドブックインターナショナルの引退名馬繋養展示事業の助成金対象馬となり、今もなお同地でのんびりと余生を過ごしています。

「ここに来た年に倒れて危ない時期があったのだけど、一命を取りとめて以来はすっかり元気ですよ。

今も一日中何か食べ物はないかって歩き回って草を食んでいるくらいで、目が合ったら前かきして催促されます(笑)。
隣の馬房にいるアブクマポーロの方が年下なんだけど、シゲルの方が若々しく見えますね。」

そう話すのはオーフルホースコミューンの代表を務める斉藤武彦さん。

現在はシゲルホームランの他にも南関東を代表する名馬アブクマポーロ、そして京成杯を優勝したフォーカルポイントといった重賞勝ち馬たちに加えて乗用馬とポニー、そして鶏たちが厩舎で一緒に暮らしています。

「ウチは特別な宣伝もしないし、会員さんも少ないからひっそりとやっているんだよ。
クラブを立ち上げてかれこれ30年近くになるけど、まあ何とかやっているさ。」

そう謙遜しながら笑う斉藤さんですが、同じ北海道とはいえ馬産地から遠く離れた場所で決して恵まれた立地とは言い難い中、しっかりと石狩の地に根付いている様子です。

「ライバルって訳じゃないけど、馬房が隣同士にあるせいかお互い意識し合うところがあるんだろうね。
1頭だけ先に洗い場に連れて行ったら淋しがって鳴いたり、かと思ったら威嚇して馬房蹴ったり、仲が良いんだか悪いんだかといった感じだけど、いいパートナーなのかもしれないですね。」

この日は2頭揃って洗い場に移動してから隣同士のパドックへと移動。

どっしり落ち着いた様子のアブクマポーロと対照的に、シゲルホームランは所狭しと駆け回って元気いっぱいな姿を我々にアピールしていました。

「シゲルもアブクマも毎年会いに来てくれる熱心なファンがいることだし、まだまだ元気に長生きしてもらって最後まで見届けてあげたいね。」

と語る斉藤さんの横からしきりに飼葉の催促をするシゲルホームラン。


今年で27歳を迎えましたが、この様子ならまだまだ長生きしてくれるのではないでしょうか。