ロンドンブリッジ
(C)JRA
プロフィール
- 父: ドクターデヴィアス
- 母: オールフオーロンドン
- 品種: サラブレッド
- 性別: 雌
- 毛色: 栗毛
- 生年月日:1995年05月06日
母馬所有者: 下河辺牧場
- 生産牧場: 下河辺牧場
- 産地: 北海道沙流郡門別町
(C)JAIRS
Catch up with Your Old Heroes
今、あの馬はどうしてる?
元気に過ごしています。噛みつくことがあるので、見学の際は注意してください。
情報提供者:繋養者
Location & Conditions for Visitors
繋養者・見学条件
(C)JAIRS 撮影日 2024年11月12日
- 繋養場所
- 〒059-2122 北海道沙流郡日高町緑町118~7
-
- 下川 茂広
- 展示時間
- 10時00分~16時00分
- 休憩時間
- 11時00分~13時00分
- 連絡予約
- 3日前まで
- 見学申込方法
- 競走馬のふるさと日高案内所
TEL 0146-43-2121
- 見学方法
- 案内あり
- 厩舎内への立ち入り
- 不可
- 備考
- マナーを守って見学お願いします
Race Record
競走成績
| 着順 |
日付 |
レース名 |
競馬場 |
芝ダ |
距離 |
| 1 |
1997年11月01日 |
ファンタジーS G3 |
京都 |
芝 |
1400 |
| 2 |
1998年04月12日 |
桜花賞 G1 |
阪神 |
芝 |
1600 |
| 年 |
主催者 |
レース回数 |
1着 |
2着 |
3着 |
着外 |
賞金 |
| 1997年 |
中央 |
3 |
3 |
0 |
0 |
0 |
45,469,000 |
| 1998年 |
中央 |
3 |
0 |
1 |
0 |
2 |
51,132,000 |
| 合計 |
中央 |
6 |
3 |
1 |
0 |
2 |
96,601,000 |
Stories
コラム
2025年10月 ~ロンドンブリッジとの再会~
2歳夏の札幌競馬場でデビューして、芝1200メートル戦で2連勝。初戦は5馬身差で、クラスが上がった2戦目は6馬身差。その時点で早くも翌年の桜花賞候補とも言われましたが、そんなロンドンブリッジが全国のファンにそのスピードを見せつけたのが、阪神3歳牝馬S(現在の阪神JF)に向かう馬にとって重要な前哨戦として創設されたばかりのファンタジーSでした。
スタートでやや出遅れたものの、すぐにリカバリー。松永幹夫ジョッキーの意のままにしっかりと折り合うと、最後の直線で前を行く馬を楽にかわして先頭ゴールイン。走破タイムの1分21秒2は当時の京都競馬場芝1400メートルコースのレコードタイムに迫る勢いでした。そして、翌年の桜花賞は逃げて従来のレコードタイムと同じ1分34秒2でゴール板を通過。結果的には2着と涙を飲んだものの、そのスピードは美しい栗毛の馬体とともにファンの心に刻まれるものとなりました。
あの快足劇から四半世紀以上の時間が経過し〝ロンドンブリッジ〟の名前はオークス馬ダイワエルシエーロや種雄馬として成功したグレーターロンドンの母として、また菊花賞馬キセキやマーメイドSに勝ったビッグリボンの祖母として、日本競馬史にその名を残しています。
現役引退後、生まれ故郷である下河辺牧場で繁殖雌馬として生活していたロンドンブリッジは、23歳となった2019年春にダノンシャークの雌馬(サザークブリッジ)を産んだのを最後に繁殖生活から引退。2022年から、下河辺牧場にほど近い距離にある下川茂広さんの牧場で、当時21歳の愛娘ダイワエルシエーロとともに功労馬としての生活をスタートさせました。
「仲の良い母娘です。放牧地でもあまり離れることなく、いつも一緒にいます」と下川さんが紹介してくれたように、撮影中もほとんど2頭は離れることはありませんでした。
撮影のため、ロンドンブリッジの引き手をもっていただいたときも、ダイワエルシエーロは心配そうに周囲でその様子を見守っていました。どこか、微笑ましさを感じる母娘です。「現役時代のことはよく分かりませんが、年齢を重ねて今は穏やかです。ただ、嫌なモノとか嫌いなことにははっきりと意思表示をする馬で、自分というものをしっかり持っていると思います」とのこと。
放牧時間は、季節や天候、気温などによって変えているそうで、秋シーズンは朝6時くらいから早めの夕方くらいまで。2頭が放たれている放牧地は、自宅の居間から見渡すことができる位置にあり「馬が入りたいような仕草をすれば、途中で厩舎に戻すこともあります」とのこと。「なるべく青草を食べさせてあげたい」と放牧時間は大切にしたいとのことで、その青草もなるべく柔らかく、栄養価の高いものを用意しているそうです。そして年齢的なことを考慮して「エサは当歳用の柔らかいものを使い、オーナー(下河辺牧場)の意向で削蹄は2か月に1回行っています」と馬ファーストの飼養管理を心がけているそうで、寒がりだというロンドンブリッジのために「ほかの馬に比べると少し早いかもしれませんが、そろそろ馬服を着せようかと思っています」と愛情を注がれています。
その甲斐あって30歳とは思えぬほどに若々しい馬体。撮影当日は曇り空でしたが、それでも毛艶の良さが確認できました。馬も人間と同じように年齢を重ねることで耳が少し遠くなっていくものですが、ロンドンブリッジは遠くの小さな物音にも反応し、見慣れないモノに対しては警戒心を強めます。そして、少しでも美味しそうな草を求めて、ダイワエルシエーロとともに広い放牧地を歩きまわり、時には走ることもあると言います。
今では若いダイワエルシエーロが歩けば、ロンドンブリッジがそれに付いていくという間柄。互いの存在が健康面をサポートしているかのようです。そんな2頭を一目見ようと毎年多くのファンが足を運んでくれるそうで、その中には現役時代の厩務員さんご家族も含まれていると、どこか嬉しそうに話してくれました。「現役時代のロンドンブリッジを知るような年齢層の方が多く、みなさんルールをしっかりと守ってくれます。少人数の牧場ですから、これからもそれはお守りいただきたい」と下川さん。見学の際は昼休み時間を外し、3日前までに「競走馬のふるさと案内所」にご連絡ください。
「縁あって、これだけの名馬を預からせていただいたのですから、2頭は、1日でも長く元気に過ごして欲しい。私たちの願いはそれだけです。そのために小さな変化を見逃すことないようしっかりと管理したい」と心がけて日々を送っているそうです。