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エイダイクイン

プロフィール

父: メジロマックイーン
母: ユキノサンライズ
品種: サラブレッド
性別: 雌
毛色: 芦毛
生年月日:1995年04月15日
母馬所有者: 東振牧場
生産牧場: 東振牧場
産地: 北海道勇払郡鵡川町

重賞競走

'98 クイーンC G3

近況 2022年11月

変わらず元気いっぱい、自由気ままに過ごしています。

繋養者情報提供者:

MOVIE

繋養展示場所
〒054-0015 北海道勇払郡むかわ町汐見287
 
東振牧場
展示時間
09時00分~15時00分
見学休止期間
11月 ~ 05月
 
繁殖シーズンのため
連絡予約
3日前まで
見学申込方法
競走馬のふるさと胆振連絡センター TEL 0144-85-2009
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り
不可
備考
防疫のため、他の放牧地や厩舎への立ち入りはご遠慮ください。
えさやりもご遠慮願います。
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 1998年02月22日 クイーンC G3 東京 1600
2 2000年03月11日 中山牝馬S G3 中山 1800
2 2000年08月13日 クイーンS G3 札幌 1800
3 2000年11月12日 エリザベス女王杯 G1 京都 2200
3 1999年11月27日 富士S G3 東京 1400
1 1997年11月23日 赤松賞 500万下 東京 1600
1 1997年12月14日 中京3歳S オープン 中京 1800
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
1997年 中央 5 3 1 0 1 35,149,000
1998年 中央 2 1 0 0 1 40,637,000
1999年 中央 3 0 0 1 2 17,108,000
2000年 中央 9 0 2 1 6 63,448,000
合計 中央 19 4 3 2 10 156,342,000

2024年2月 ~エイダイクインとの再会~

馬産地であるむかわ町は、新千歳空港や札幌、あるいは苫小牧といった都市圏からアクセスしやすい距離にあります。豊かな自然が魅力的な地域で、馬産の他にもシシャモやメロン、和牛のほか、比較的温暖な気候を利用して野菜や花卉などを名産としています。


馬産地としては決して大規模ではありませんが、ダービー馬オペックホースや南関東三冠馬のサンオーイ、あるいは宝塚記念に勝って凱旋門賞2着のナカヤマフェスタやスプリンターズSの優勝馬であるビリーヴなど多くの活躍馬を送り出している地域です。エイダイクインの生まれ故郷であり、そして現在も同馬を繋養している東振牧場もそんな環境の中にあります。


東振牧場は昭和35年創業。60年を超える長い歴史を持ちます。そしてその歴史の中から重賞3勝のユキノサンライズ、そしてエイダイクインという2頭の活躍母仔を送り出しました。


東振牧場を訪れたのは2024年1月。比較的温暖な地域とはいえ、そこは冬の北海道。放牧地には真っ白な雪の絨毯が敷き詰められていました。そこに、29歳になったばかりのエイダイクインが佇んでいました。白い舞台に、しっかりと手入れされた芦毛馬のコントラストを見ていると、まるでファンタジーの世界に迷い込んだようでした。


「歯も、内臓も丈夫で元気です。毛もしっかり生え変わってくれますし、ゴロンと横になってもすぐに立ち上がってくれる。健康状態は良いと思います。」
と、紹介してくれたのは同牧場の佐藤隆博さんでした。


「夏の間は基本的に24時間放牧なのですが、さすがに冬はそうともいかないので太陽が昇る頃に放牧に出し、夕陽が落ちる前に厩舎へと戻します。基本的には呑気というかマイペースな馬なので、なるべく自然に近い状態で過ごしてもらおうと思っています。」
とエイダイクインの暮らしについて教えてくれました。


ただ、夏の間も健康状態の観察だけは欠かさず
「毎日見ていれば、小さな変化にもすぐ気が付きます。ちょっとでもおかしいなと思えばケアをするのですが、今までそんな必要もないほどに元気です。」
と話してくれました。


かつて、ここ東振牧場の放牧地には母ユキノサンライズと、1988年のオークス馬コスモドリームも一緒にいたそうです。なんと豪華な放牧地なのでしょうか。そして現在はコスモドリームの孫となるダブルタイトルという4歳年下の馬と同じ時間を過ごしています。ただし、2頭の性格は好対照。どちらかといえば、何にでも興味を示すダブルタイトルに対し、エイダイクインは我関せず。放牧地から厩舎へ戻る際も最後方をトコトコと。時には集団を離れて道草していることもしばしばだったそうです。見知らぬ馬が仲間入りをした際などにも、放牧地での順位付けなどには一切興味を示さず確認に近寄る程度でした。その後は一定の距離を取りつつ、穏やかな時間を過ごしていたそうです。放牧地の静かなリーダーとでも呼べるような存在です。


現役時代の通算成績は19戦4勝。420キロ台と馬格には恵まれませんでしたが、デビュー2戦目にダート1200mの新馬戦を勝ち上がったあと、赤松賞、中京3歳S、そしてクイーンCと3連勝。桜花賞では勝ったファレノプシスや2着ロンドンブリッジよりも高い評価を受けていましたが6着。レース後には骨折も判明し、約1年間の休養を余儀なくされますが、復帰後も重賞競走で2着2回3着2回。若いうちは母譲りの先行力を武器としていましたが、エリザベス女王杯ではメンバー最速の末脚でファレノプシス、そしてフサイチエアデールに続く3着と健闘。場内を沸かせました。


現役引退後は、生まれ故郷に戻って繁殖生活に入りますが
「13年連続で産駒を産んでくれました。こんな馬はそうはいないと思います。おとなしくて、手もかからず、次々と産駒を生んでくれましたので、牧場に大きな貢献をしてくれました。」
と胸を張りますが
「残念だったのは、産駒のほとんどが母に似て小柄でした。いろいろな配合を試しましたが、これはどうにもなりませんでした。」
と苦笑い。そして、これは残念とはとても言えないのですが、13頭の産駒で雌馬はわずか2頭。改めてサラブレッドが血をつないでいくことの難しさを教えてくれたような気がします。


「コロナが明けて、3年ぶり、5年ぶりと会いに来てくれるファンの方がいらっしゃいます。毎年たくさんの馬が出てくる中で、引退してから四半世紀になろうというこの馬を覚えていてくれる方が多いことに改めで驚きますし、感謝です。皆さんは少しでも長く、元気に、と声をかけてくださいますが、それは私たちも同じ思いです。幸い、馬はとても元気なのでぜひ会いに来てください。」
とメッセージを預かりました。