重賞競走
'03 チューリップ賞 G3
'03 クイーンS G3
'04 クイーンS G3
'04 府中牝馬S G3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2003年03月08日 | チューリップ賞 G3 | 阪神 | 芝 | 1600 |
1 | 2003年08月17日 | クイーンS G3 | 札幌 | 芝 | 1800 |
1 | 2004年08月15日 | クイーンS G3 | 札幌 | 芝 | 1800 |
1 | 2004年10月17日 | 府中牝馬S G3 | 東京 | 芝 | 1800 |
2 | 2004年11月14日 | エリザベス女王杯 G1 | 京都 | 芝 | 2200 |
2 | 2005年11月13日 | エリザベス女王杯 G1 | 京都 | 芝 | 2200 |
3 | 2005年10月16日 | 府中牝馬S G3 | 東京 | 芝 | 1800 |
1 | 2002年10月13日 | りんどう賞 500万下 | 京都 | 芝 | 1400 |
2 | 2004年07月04日 | 米子S オープン | 阪神 | 芝 | 1600 |
3 | 2002年08月24日 | クローバー賞 オープン | 札幌 | 芝 | 1500 |
3 | 2002年09月29日 | すずらん賞 オープン | 札幌 | 芝 | 1200 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2002年 | 中央 | 5 | 2 | 0 | 2 | 1 | 24,394,000 |
2003年 | 中央 | 6 | 2 | 0 | 0 | 4 | 83,057,000 |
2004年 | 中央 | 6 | 2 | 2 | 0 | 2 | 135,879,000 |
2005年 | 中央 | 4 | 0 | 1 | 1 | 2 | 56,902,000 |
2006年 | 中央 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
合計 | 中央 | 22 | 6 | 3 | 3 | 10 | 300,232,000 |
2022年6月~オースミハルカとの再会~
今回は2003年・2004年クイーンステークス連覇ほか、チューリップ賞や府中牝馬ステークスを勝利、競走成績22戦6勝(うち重賞4勝)といった成績を残したオースミハルカを訪ねました。
牝馬で重賞4勝だけでも凄いですが、オースミハルカの凄いところは、牝馬三冠馬のスティルインラブ、牝馬二冠・GⅠ3勝のテイエムオーシャン、デビューから無敗の6連勝でGⅠを2勝したファインモーションに勝ったということに尽きます。
エリザベス女王杯は2年連続2着、悲願のGⅠ制覇にはあと僅か及びませんでしたが、まだ若手だった川島信二騎手が全22戦中17戦で手綱を取り、人気薄で華麗な逃げ切りを決めたり、場内からどよめきが起こるような大逃げをしたりとファンを楽しませてくれました。
2006年に競走馬を引退、生まれ故郷の鮫川啓一牧場へ戻り、繁殖牝馬としての生活を始めました。この牧場は、1967年浦河に父・鮫川三千男さんが設立。
オースミハルカの4代母でもある第三スターリングモアからの流れを大切にしながら、1979年のダービー馬カツラノハイセイコ(この馬の4代母も第三スターリングモア)を生産した牧場です。
その後、1997年から鮫川啓一さんがその精神ともども牧場を引き継ぎ、現在に至っています。
オースミハルカは合計11頭の産駒を世に送り出し、特に3番目の仔オースミイチバンは母の主戦だった川島信二騎手で2012年の兵庫チャンピオンシップ、2013年のダイオライト記念を勝ち、産駒初の重賞馬となり関係者やファンを喜ばせました。
2021年に3年振りの出産となったオースミハルカ最後の仔は、父レイデオロの牝馬です。
その出産、そして離乳を最後に繁殖牝馬を引退。
「年齢を考えても肌艶もよく、とても元気で、オースミハルカの母、ホッコーオウカらと共に余生を送っています」
やはりファンは多いようで、「オースミハルカのファンの方に喜んでもらおうと最初の数年は見学可能にしていましたが、予想以上に来場者が多く、馬が人から逃げてしまうようになったこともあり、やむを得ず見学を中止することに決めましたが、最後の出産も無事に終わり、繁殖牝馬も引退したので、見学を再開することにしました」と鮫川啓一さん。
繁殖牝馬を世話する時に大切にしていることは「馬は集団動物なのでルーティンを変えずに淡々とすること」とおっしゃっていたように、オースミハルカが繁殖牝馬を引退した後も、慣れ親しんだ環境をあまり変えないように、現在も夏は朝5時半から6時ごろに放牧を開始、夕方の4時から5時ごろに厩舎へ入れて、状態がよければ夜間放牧もしているそうです。
「オースミハルカと母のホッコーオウカは同じ厩舎にいますし、この放牧地にはホッコーオウカの血を引き継いでいる子供がほとんど」と言うように、オースミハルカの仔、オースミミズホやオースミハルカの妹マルハチラブームやその仔のアースラブームなども放牧されていました。
オースミハルカがどんな馬なのか聞いてみると「ボス的存在で独立心が強い馬でありながら、人一倍寂しがり屋の一面もあるんですよ」と鮫川さん。
子育てでは、少しクールなところもあり放任主義に近いですが、怒ることはなかったそう。寂しがり屋の一面とクールな一面、そのギャップもまたオースミハルカの魅力の一つかもしれません。
鮫川啓一牧場のホームページには、繁殖牝馬や産駒についての情報や写真をはじめ、現役馬のレース情報も毎週更新されていて、生産馬をとても大切にしている牧場だと感じました。
ホッコーオウカの母ランズプロント、その母トサモアーから続く数々の産駒の活躍や、この血を受け継いでいる馬達の歴史を見るのもまた面白いものです。
オースミハルカの最後の仔のデビューを心待ちにしながら、この血が受け継がれている馬たちの活躍も願っています。
そして、オースミハルカもホッコーオウカも、まだまだ元気に余生を送って欲しいものです。