重賞競走
'07 キーンランドC Jpn3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2007年08月26日 | キーンランドC Jpn3 | 札幌 | 芝 | 1200 |
3 | 2007年07月15日 | アイビスサマーダッシュ Jpn3 | 新潟 | 芝 | 1000 |
1 | 2006年11月05日 | 福島2歳S オープン | 福島 | 芝 | 1200 |
1 | 2007年06月17日 | バーデンバーデンC オープン | 福島 | 芝 | 1200 |
2 | 2007年10月21日 | 福島民友C オープン | 福島 | 芝 | 1200 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2006年 | 中央 | 6 | 3 | 0 | 0 | 3 | 32,785,000 |
2007年 | 中央 | 7 | 2 | 1 | 1 | 3 | 90,890,000 |
2008年 | 中央 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4,100,000 |
2009年 | 中央 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
合計 | 中央 | 16 | 5 | 1 | 1 | 9 | 127,775,000 |
今回は2007年の第2回キーンランドカップ(GⅢ)を4番人気で勝利したクーヴェルチュールです。
キーンランドカップでは、父ブラックホークにも騎乗していた横山典弘騎手が51キロで騎乗し、重賞馬アグネスラズベリの猛追を凌いで勝利。
ブラックホーク産駒の重賞初制覇として記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
故障であまりレースに使えなかったこともあり、競走成績16戦5勝(うち、重賞1勝)。2009年に競走馬を引退し、生まれ故郷の富菜牧場へ種雌馬として戻りました。
2010年から毎年無事出産し、ライデンバローズなど合計9頭を輩出。
お産は軽いほうではなかったようですが、なんとか順調な繁殖生活を送ってましたが、2018年、2019年が流産と死産。
2020年の出産も難産だったことから、この出産を最後に繁殖生活にピリオドを迎え、現在は富菜牧場で元気に引退名馬として余生を送っています。
最後の産駒はホッコータルマエ産駒の雄馬です。順調なら今年がデビューの年なので、競馬場で見かけた際はぜひ応援してあげてください。
今回クーヴェルチュールについてお話しして下さったのは、クーヴェルチュールと同じく富菜牧場で産まれ育ったあやのさんです。
富菜牧場は、あやのさんの祖父の代から続く牧場で、10ヘクタールほどの土地に10頭の種雌馬とクーヴェルチュールが繋養されています。
あやのさんに最近のクーヴェルチュールの様子を聞くと
「とにかく元気です!」
と第一声。
「食欲旺盛!運動もよくします。スプリンターだけあってかなり筋肉が発達していますが、全く衰えておらず、繁殖時代より今の方が若返っているんじゃないかと思うくらい、今も本当に元気いっぱいです!」
と話してくださいました。
放牧地での様子を見ていても、本当に元気そう。
馬体が黒かったことから『チョコちゃん』と呼ばれ、チョコと2月14日のバレンタインデー生まれから連想して『クーヴェルチュール』と名付けられた同馬。
その可愛い名前とは裏腹に、
「生まれた時から最強で、特別気が強く、すでにボス。引退後に戻って来てもボス、繁殖を引退してもボス。今でも牧場で一番強い。」
取材時は、現役の種雌馬のコウエイレディー(動画の3分前後で登場する鹿毛馬)と同じ放牧地にいましたが、
「引退したクーヴェルチュールの方が親分のような間柄なんですよ。」
と笑顔で話してくれました。
クーヴェルチュールは、人間並みと言っていいほど知能が高く、人や馬のことをよく見ていて、自分より強いものや脅威になるものは、必ず自分で確認する馬で、時には人を脅かすこともありますが、本気でケガをさせようと思っているわけではなく、ちょっと試してみようとするのだそうです。
このインタビュー中にもちょっかいを出してくることがありましたが、本気で威嚇しているわけでもなく、「何してるのかな?」「誰かな?」みたいな感じで、こちらの様子をうかがっていたようです。本当に頭が良いのでしょうね。
ファンについて聞いたところ、ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンの一口馬だったので見学に来るファンは多いとのこと。
最近は、富菜牧場のTwitterでクーヴェルチュールの写真や動画を見てファンになったという方も多いそうですよ。
富菜牧場の馬たちへの愛情あふれる写真や動画を見ていると、クーヴェルチュールだけでなく、富菜牧場のファンになって見に行きたいと思ってしまうのもわかる気がします。
ただ、Twitterでもお知らせしているように、事前予約をして時間厳守で会いに行ってくださいね。
富菜牧場の馬に対する愛情の深さは、いつも
「この馬は何を求めているのか?」
を考えて馬に接していると答えてくれたことでもわかりました。
「食べるのが好きなのか、走っているのが好きなのかなど馬によって好みが違うので、馬をよく観察し、馬の好みに合わせて世話をしています。」
なるべくストレスがないようにしているからクーヴェルチュールをはじめ、他の馬も元気で活き活きとしているのでしょう。
生まれてからずっと富菜牧場のボスである、クーヴェルチュール。
種雌馬を引退しても、ますます元気になっているようなので、これからも愛情いっぱいの富菜牧場で末長く引退名馬として余生を送ってくれることを願っています。