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サブジェクト

プロフィール

父: フジキセキ
母: アランセラ
品種: サラブレッド
性別: 雄(セン)
毛色: 黒鹿毛
生年月日:2005年02月17日
母馬所有者: ノースヒルズマネジメント
生産牧場: ノースヒルズマネジメント
産地: 北海道新冠郡新冠町

重賞競走

'07 R−NIKKEI杯2歳S Jpn3

近況 2013年11月

福島県南相馬市の西 護氏に移動しました。

JAIRS情報提供者:

繋養展示場所
〒 福島県南相馬市
 
展示時間
09時00分~09時00分
着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2007年12月22日 R−NIKKEI杯2歳S Jpn3 阪神 2000
2 2007年09月29日 札幌2歳S Jpn3 札幌 1800
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2007年 中央 5 2 1 0 2 55,045,000
2008年 中央 7 0 0 0 7 0
2009年 中央 2 0 0 0 2 0
2009年 地方 4 0 0 0 4 360,000
2010年 地方 5 0 0 1 4 1,248,000
合計 中央 14 2 1 0 11 55,045,000
合計 地方 9 0 0 1 8 1,608,000

2016年8月 ~サブジェクトとの再会~

 
2007年のラジオNIKKEI杯2歳Sを制したサブジェクトは福島県南相馬市原町の西護さんの厩舎で余生を送っています。

 
栗東の池江泰郎厩舎に所属し、札幌での新馬戦を快勝し札幌2歳Sでも2着に入るなど早い時期から活躍した同馬。
O・ペリエ騎手とのコンビで重賞ウイナーの仲間入りを果たすと、3歳春には皐月賞・ダービーにも出走しました。

4歳春以降は地方・船橋競馬に移籍しましたが、2歳暮れの重賞制覇以降は勝利をあげることができませんでした。
 

サブジェクトが西さんのもとへやってきたのは2013年の秋。
以降、西さんのお孫さんを含めた家族に世話をされ、ここまで大きな病気も無く元気に過ごしています。


「ウチに来た頃は大人しい馬だったんだけど、だんだん色気を持ったのかうるさくなってきました。
それで昨春に去勢したんだけど、そしたらまた大人しくなりまりた。」

西さんにお話をうかがっている間も大人しくカイバを食べていた同馬。

隣の馬房にはハギノコメント(2011年小倉2歳S3着)もおり、ふだんは厩舎で2頭仲良く暮らしていますが、取材に訪れたこの日はほかに5頭もの馬が出迎えてくれました。


実は西さん宅に伺ったのは国の重要無形民俗文化財である相馬野馬追の開催日。

相馬野馬追はこの地を治めた旧相馬藩主・相馬氏の祖である平将門が、原野に放してあった野馬を捕らえる軍事訓練と捕らえた馬を神前に奉納したことに由来する神事であり、旧相馬藩領で毎年7月の最終土・日・月曜日の3日間で執り行われています。

祭りのハイライトである2日目の本祭りでは、先祖伝来の甲冑に身を固めた約500騎の騎馬武者が祭場地へと駒を進める「お行列」、旗差物をなびかせながら1周1000mのコースを疾走する「甲冑競馬」、さらに騎馬武者たちが御神旗を奪い合う「神旗争奪戦」が行われます。

サブジェクト以外の馬たちはこの日の野馬追に「出陣」し、ふだんは馬運車の車庫になっている仮設厩舎から戻ってきたばかり。

さらにいえば取材に対応していただいた西さんご自身も、野馬追への「出陣」を終えてご自宅に戻られたばかりでした。

ちなみに西さんは15歳の初陣からなんと68年連続となる野馬追出陣。
82歳となった今年も先祖伝来の甲冑を身にまとった現役の騎馬武者として活躍されています。


そんな西さんだが、現役の騎馬武者に加えもうひとつの顔があります。

それは甲冑などの古式馬具を修繕、制作する職人としての顔です。
もっとも本業として携わってきたのではなく、ご自宅に伝わってきた古い馬具を修理するうちに独自で学んだそうです。

ご本人はあくまでも趣味というのですが、そのキャリアは50年以上になるそうです。

「作らないのは鞍とアブミだけ。それ以外なら直せないものはないよ。」

とおっしゃるのだからかなりの腕前のようです。


馬房の前や作業場を兼ねたご自宅の部屋には、この日の野馬追で身に付けられた馬具が所狭しに並べられていました。

「昔のものは手作りで出来上がりもひとつひとつ違う。それを直していくのだから、とにかく根気のいる作業だよ」

という西さん。

既製品と異なり修理するにしてもそれぞれに合ったパーツを見つけるのも容易ではなく、知人から古くなったものを譲り受けたり、時には骨董市などで合いそうなものを探してくるそうです。
 

長年にわたって相馬野馬追と馬具に携わってきた西さん。

野馬追は息子さんに加えお孫さんも参戦するようになり、親子3代での出陣となりました。

また独学で進めてきた馬具作りも

「おじちゃんが居なくなっても野馬追は続いていくのだから」

と、洋裁を手掛ける姪っ子さんが手伝ってくれるようになったそうです。

「やっぱ馬が好きだし、野馬追も好きだから…」

そう笑顔で答えた西さんとそのご家族に囲まれて、サブジェクトは元気に暮らしています。