重賞競走
'11 マイルChS G1
'09 京王杯2歳S Jpn2
'11 富士S G3
着順 | 日付 | レース名 | 競馬場 | 芝ダ | 距離 |
1 | 2011年11月20日 | マイルChS G1 | 京都 | 芝 | 1600 |
1 | 2009年11月14日 | 京王杯2歳S Jpn2 | 東京 | 芝 | 1400 |
1 | 2011年10月22日 | 富士S G3 | 東京 | 芝 | 1600 |
2 | 2009年12月20日 | 朝日杯フューチュリティS Jpn1 | 中山 | 芝 | 1600 |
2 | 2010年03月07日 | 弥生賞 G2 | 中山 | 芝 | 2000 |
2 | 2010年10月10日 | 毎日王冠 G2 | 東京 | 芝 | 1800 |
2 | 2009年10月17日 | デイリー杯2歳S Jpn2 | 京都 | 芝 | 1600 |
年 | 主催者 | レース回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 賞金 |
2009年 | 中央 | 6 | 2 | 2 | 0 | 2 | 86,387,000 |
2010年 | 中央 | 5 | 0 | 2 | 0 | 3 | 48,508,000 |
2011年 | 中央 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 154,301,000 |
2012年 | 中央 | 5 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
合計 | 中央 | 19 | 4 | 4 | 0 | 11 | 289,196,000 |
海道浦河町絵笛にある栄進牧場で余生を過ごしているエイシンアポロンを訪ねました。
絵笛とは聞きなれない地名だとは思いますが、かつて存在していたJR日高本線でいえば『荻伏』と『浦河』の中間に位置する場所。アイヌ語の『エ・プイ』は小山に由来する言葉で、その名の通り川が静かに流れ、緑があふれる自然豊かな環境です。
2011年のマイルチャンピオンシップ優勝馬エイシンアポロンは、現役引退後は新ひだか町のレックススタッドなどで種雄馬生活を送った後、2021年から引退名馬繋養展示事業の対象馬として、ここ絵笛の山あいにある栄進牧場で余生を過ごしています。
「この馬はアメリカ産馬ですから、付き合いはまだ短いんですよ。」
となかば冗談を言いながら案内してくれたのは、同牧場の名古屋さん。引退馬の案内などもしてくれますが、普段は繁殖牧場で仕事をしているそうです。
「エイシンアポロンの子馬時代はよく知らないですが、エイシンアポロンの子供はたくさん見ています。」
とのこと。
「体が大きくて、顔には大きな流星があって、足が白い馬が多かったような気がします。あぁ、エイシンアポロンの子供だなって言われなくても分かるような馬もいましたよ。」
と懐かしみます。
エイシンアポロンは、名種雄馬Giant's Causewayの産駒で2歳11月の京王杯2歳ステークスで重賞初制覇。朝日杯フューチュリティステークスはローズキングダムにわずか及ばず2着でしたが、4歳秋にマイルチャンピオンシップに勝つなど仕上がりの早さ、成長力、そして高い能力をその競走生活の中で示しました。
また種雄馬としても、その初年度産駒が2歳トレーニングセールの公開調教で高いパフォーマンスを発揮。せりでも高額取引されるなど活躍が期待された馬でした。しかし、時代はディープインパクトに代表されるサンデーサイレンス系全盛時代。配合雌馬集めには苦労したと言います。
現在、栄進牧場にはエイシンアポロンのほか、31歳になったエイシンサンサン、26歳になったエイシンプレストン、21歳のエイシンデピュティもここで余生を送っています。
「エイシンアポロンは16歳ですから、年齢的にも1番若い。まだまだ元気ですよ。」
と現在の放牧地を紹介してくれました。
猛暑に見舞われた2023年。夏の間は夜間放牧だったそうですが、秋を迎えた現在の放牧時間は朝6時から午後3時くらいまで。あれ?ちょっと早くないかな?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、緯度が高い北海道の冬は夕方4時を過ぎる頃になればすっかりと日も落ちてしまうのです。
大人しくて人懐っこい性格とは聞いていましたが、人間の姿を見つけると牧柵の方へ寄ってきて甘える仕草を見せるエイシンアポロン。スタッフの方が手入れのために放牧地へ入ったあとも馬のほうから近寄ってくるあたりに信頼関係が垣間見えます。そんなエイシンアポロンとの再会を、多くのファンが楽しんでいるそうです。
「次から次へと新しいスターが出てくる中で、たくさんの方々がわざわざこの牧場まで馬たちに会いに来てくれます。本当にありがたいことです。」
と、名古屋さんは目を細めます。現在、栄進牧場では引退名馬たちのために新しい放牧地を整備して、馬たちがより良い環境で過ごせるように準備をしているそうです。
「病気もしたことないし、歯も丈夫で内臓もしっかりしています。注意していることと言えば、朝晩の出し入れくらい。種雄馬を経験している馬で去勢もしていませんので、厩舎から出るときと、放牧地から戻るときには十分注意するように徹底しています。新しい放牧地はぐっと広くなるので自由に草を食むことができるはず。ストレスとは無縁の環境になると思いますので、長生きしてくれると思います。」
と頼もしく話してくれました。