オウケンブルースリ

オウケンブルースリ メイン画像1 (C)JRA

重賞競走

  • '08 菊花賞 Jpn1
  • '09 京都大賞典 G2

プロフィール

  • 父: ジャングルポケット
  • 母: シルバージョイ
  • 品種: サラブレッド
  • 性別: 雄(セン)
  • 毛色: 栗毛
  • 生年月日:2005年02月24日
  • 母馬所有者: ノーザンファーム
  • 生産牧場: ノーザンファーム
  • 産地: 北海道勇払郡早来町
オウケンブルースリ メイン画像2 (C)JAIRS

Catch up with Your Old Heroes 今、あの馬はどうしてる?

ファンが多くとても人気がある馬です。AERUで元気に過ごしているので、ぜひ見学に来てください。

情報提供者:繋養者

Location & Conditions for Visitors 繋養者・見学条件

(C)JAIRS 撮影日 2015年10月22日
繋養場所
〒057-0171 北海道浦河郡浦河町西舎141~40
 
うらかわ優駿ビレッジ「AERU」
TEL
0146-28-2111
展示時間
07時30分~16時00分
見学申込方法
連絡不要 直接訪問可
見学方法
自由見学
厩舎内への立ち入り
備考
直接訪問可能ですが、目的の馬が展示されていないこともあるので直接連絡にて確認してください。

Pedigree 血統表

Race Record 競走成績

着順 日付 レース名 競馬場 芝ダ 距離
1 2008年10月26日 菊花賞 Jpn1 京都 3000
1 2009年10月11日 京都大賞典 G2 京都 2400
2 2009年11月29日 ジャパンC G1 東京 2400
2 2010年10月10日 京都大賞典 G2 京都 2400
2 2011年11月06日 AR共和国杯 G2 東京 2500
2 2012年10月08日 京都大賞典 G2 京都 2400
3 2011年10月09日 京都大賞典 G2 京都 2400
3 2008年09月28日 神戸新聞杯 Jpn2 阪神 2400
4 2009年11月01日 天皇賞(秋) G1 東京 2000
5 2008年11月30日 ジャパンC G1 東京 2400
1 2008年06月21日 生田特別 500万下 阪神 2400
1 2008年08月23日 阿賀野川特別 1000万下 新潟 2200
主催者 レース回数 1着 2着 3着 着外 賞金
2008年 中央 8 4 1 1 2 226,753,000
2009年 中央 4 1 1 0 2 187,140,000
2010年 中央 3 0 1 0 2 26,232,000
2011年 中央 6 0 1 1 4 39,454,000
2012年 中央 6 0 1 0 5 24,284,000
合計 中央 27 5 5 2 15 503,863,000

Stories コラム

2025年10月 ~オウケンブルースリとの再会~

「どんな状況でも決して諦めないこと」。
第69回菊花賞に優勝したオウケンブルースリは、その競走人生を通して「粘り強く挑戦し続けること」の大切さを教えてくれたような気がします。
ダービー馬ジャングルポケットの2世代目産駒として安平町のノーザンファームで生まれたセレクトセール取引馬。
それだけで〝エリート〟を想像する人もいるかもしれませんが、オウケンブルースリが、その雄姿を初めて競馬場に現したのは同期の仲間たちが3歳クラシック第1弾の皐月賞を戦い終えた4月26日の福島競馬場でした。

出走経験馬相手の未勝利戦。互角にゲートを出たものの、どこか戸惑うような走りで後方に置かれたオウケンブルースリは、それでも残り700メートル付近からデビュー3年目の北村友一騎手に促されながら追撃を開始し、勝ち馬にクビ差まで迫っています。
正面から見れば顔全体を覆ってしまうような大流星を持つ派手な顔と、ゴールに向かって加速するスケールの大きな末脚は一部で話題となりましたが、その時点で未来のオウケンブルースリを想像できた人はそう多くはなかったはずです。
初勝利を記録したのは、それから一か月半後の6月8日の中京競馬場。すでにダービーは終わり、春のクラシックを戦った馬たちは秋に向けて休養に入る、そんな頃でした。
 
しかし「追い込み」という武器に磨きをかけたオウケンブルースリは、その後古馬混合の特別戦を連勝して菊花賞への道を切り拓くと、重賞初挑戦となった神戸新聞杯でも怒涛の追い込みを見せて3着。
そして〝最も強い馬が勝つ〟と言われる菊花賞では1番人気に支持され、見事先頭でゴールを駆け抜けました。諦めない心が掴んだ栄光でもありました。
 
その後7歳まで現役生活を続けたオウケンブルースリは浦河町のイーストスタッドで種雄馬入り。
10年間に及ぶ種雄馬生活は、決して産駒数に恵まれたとは表現できないものでしたが、その中からJRA重賞勝ち馬オウケンムーンを送りだして、応援し続けたファンを喜ばせてくれました。
そして2023年からは住み慣れたイーストスタッドからほど近い距離にある「うらかわ優駿ビレッジAERU」で余生を過ごしています。
 
そんなオウケンブルースリを「男気のある馬」と表現してくれたのは乗馬課チーフの渡邊さんでした。
馬が好きで、馬の専門学校を卒業後、ここ優駿ビレッジAERUで多忙な日々を過ごしています。 
「今はスズカフェニックスと同じ放牧地で生活しているのですが、寂しがり屋のスズカフェニックスにとってオウケンブルースリはなくてはならない存在なのです」と紹介してくれました。
ぱっと見はとてもよく似ている2頭ですが、性格的には正反対だそうで、やや神経質な面があってインドア派のスズカフェニックスに対して、オウケンブルースリはどっしりと構え、多少の事には動じないアウトドア派。
普段から手がかからず、扱いやすい馬との事で、朝、放牧地に向かう際などはどこか嬉しそうに向かうそうです。

現在は朝7時頃から昼過ぎまでが放牧時間。しかし「スズカフェニックスが厩舎に帰りたがれば、早めに戻すこともある」との事。
厩舎に戻すときもオウケンブルースリを先に戻すと残されたスズカフェニックスが寂しがるので「スズカフェニックスが先なのです」と耳打ちしてくれました。
 
今年は、オウケンブルースリにとっては20歳の夏でした。日本全国猛暑に見舞われた夏でしたが、浦河町も例外ではなく気温が30度近くまで上がる日も珍しくなかったそうです。
それでも「大きく体調を崩すことなく元気に過ごしてくれました。今は気温もだいぶ下がって、今まで以上に元気です」と目を細めています。

そんな話をしている間も、放牧地でのオウケンブルースリは、残り少なくなった青草の季節を惜しむかのように、ただひたすら下を向いて草を噛み続けています。「冬は、体を守るための体力が必要なので少し飼い葉を増やしています」と渡邊さん。
少ない人数で多くの馬たちと向き合っているので「最近は、あまりSNSに投稿できていないのが心苦しいのですが、馬はとても元気です」。うっすらと伸び始めた冬毛が、しっかりとした飼養管理と、現在のオウケンブルースリの体調を雄弁に物語っています。

「これから北海道は厳しい季節になりますが、馬が元気になるシーズンでもあります。元気な馬たちに会いに来てくれたら、嬉しいです」というメッセージを預かりました。
 
*競走馬のふるさと案内所では「引退馬見学に行かれる際は一般常識と見学マナーを守っていただきますよう、重ねてお願いいたします」と呼びかけています。
うらかわ優駿ビレッジAERUはホテルに向かう(あるいはホテルから戻る)桜並木側からの見学は危険防止の観点からご遠慮いただいております。
また、自撮り棒など馬にとって見慣れないものは馬を驚かせてしまう原因になりますので使用はご遠慮ください。